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こどもの「浮き指」について考える

私は都内の某自治体で25年以上にわたって、運動指導をになってきました。

その中でもここ10年以上は「ウォーキング指導」を通じて足(足首より下)と脚(足首から股関節まで)の大切さを伝え、特に「足の裏の筋肉」と「指の使い方」に重点を置いて指導しています。

以前このような記事を見つけたので保存していました。
当校のプログラムでもハイキングやトレッキングを実施していますが、こども達の歩行能力が以前よりも落ちているのが分かります。
脚の筋肉は今後、中学~高校~大学を経て、成人以降も鍛えることが可能です。
しかし足の裏の筋肉に関係している「指の使い方」に関してはクセがついてしまうとなかなか修正が難しいと感じます。

未就学~学童の時期にどれだけ歩いたか(走ったか)、登ったか、不安定な場所で遊んだかは今後のバランス能力や運動能力の発展にとどまらず、関節や靱帯の負担や強さに関係してきます。

ぜひ、自然の中(芝生や土の不整地や砂浜など)でたくさん遊ぶ機会をこども達に設けて頂きたいと思います!

-記事 from産経新聞-

足の指先が地面に着かない「浮き指」の子供たちが増えている。運動不足に伴う足指の筋力低下などが原因とみられるが、昨今の新型コロナウイルス禍で外出の機会が減り、さらなる増加も懸念される。放置すれば腰痛や歩行障害につながる恐れもあり、大阪では今年度から、専門家がAI(人工知能)で小学生の姿勢を分析し、浮き指症状の改善に向けた取り組みに乗り出した。

4月中旬、大阪府泉大津市の市立条東小学校。マットの上で足をそろえ、まっすぐに立つ1、2年の児童を、理学療法士がタブレット端末を使って撮影していた。2分ほど待つと、端末に2枚の画像が表示された。一枚はセンサー付きのマットで測定した足裏の画像。力の入れ具合が色の濃淡で示される。もう一枚は全身を写したもので、姿勢のゆがみ具合が上から直線で描かれている。

足指にほとんど力が入らず、かかとに重心が置かれる「浮き指」症状を示す測定画像(橋間診療所提供)

ヘルスケアシステム開発会社「Posen(ポーズン)」(大阪市)が手掛けたAIによる骨格分析システム。写真から身体の関節の位置を読み取った上で、身体のゆがみや姿勢バランスを解析する。この日の測定では、児童のほぼ全員が、足の指先ではなく、かかと部分だけに重心を置いて立ち、うち多くが猫背だった。

足指の筋力不足から、かかとに重心が移り、バランスを取るために前のめりの猫背になる-。測定結果は浮き指による姿勢悪化を端的に示していた。

「最近の子供たちの筋力低下は著しい。このままでは多くの人が、高齢になったとき深刻な腰痛や関節の変形を抱えることになる」

測定に携わった橋間(はしま)診療所(同府岸和田市)の橋間誠院長(55)は危機感をあらわにする。

長年、足の研究を続けている橋間院長によると浮き指の原因は複数あり、サイズの合っていない靴を履いている▽幼少期の歩行距離が短い▽ゲームのし過ぎなどによる長時間の前傾姿勢-などが挙げられる。

少し古いデータだが、平成23年に東京都品川区の区立戸越小学校で児童全員の足形を調査したところ、浮き指がある児童は81・7%に上った。昨今のコロナ禍ではその傾向がさらに強まる可能性があり、橋間院長は「自粛生活で子供たちが外に出る時間が減って運動不足に拍車がかかっている」と指摘する。

幼少期に浮き指のくせがつくと、大人になってもその状態は定着し続ける。若年期は日常生活に支障が出ることはあまりないため見過ごされがちだが、30~40年以上の年月を経て腰痛や関節の変形、歩行障害などにつながるケースがある。

こうした状況に危機感を覚えた橋間院長は、上半身をストレッチしながら足指を開いたり閉じたりする「足指エクササイズ」を考案し、小学校2校で導入。今年度からはAI骨格分析システムも導入し、エクササイズによる改善データを蓄積していくつもりだ。

橋間院長は収集したデータを厚生労働省などに提出する考えで、「浮き指を治すことで姿勢の改善や将来の腰痛防止につながることを全国的に知ってもらうきっかけにしたい」と話す。(中井芳野)

2022年10月06日

こどもの「非認知能力」について考える

最近、こどもの「非認知能力」についてテレビなどでも取り上げられるようになりました。

非認知能力とはこども達が「自分の心について考える(とらえる)能力」であり、「人との関わりにおいて発揮する協調性や共感する能力」などで成績表等のように数値化できない力を指します。

おもに幼児期の発達に重要とされていますが、小学生でも「自己肯定感」や「社会性」「共感力」といった、学校やキャンプでもとても重要視されている大事な部分です。

この非認知能力はおもに「体験」によって養われる能力で、昔から自然体験活動などを含む「何でもやってみることが大事!」と言われてきたことですが、学問的な裏付けがされたことでより重要性がわかりやすくなりました。

キャンプに初めて来るこども達は、例えば釣りのプログラムでは「ゲームならもっと簡単に釣れるのに、こんなに釣れないんじゃつまんない!」と言ったりします。

または先日行ったバームクーヘン作りでは、「こんなに何回も生地焼いてめんどくさい、なんで?」と言ったりします。だって”バームクーヘン”作ってるんじゃん!と返したりしますが、みんな自分の中のイメージやそれこそYouTubeだけで色々なことをそういうもんだと「知ったつもりでいる」節があります。

なのでやったことがある人間からすれば大変であったり難しいことは百も承知のことでも「そんなの簡単じゃん」「やらなくたって分かるし」ときます。

けれど少しずつキャンプで色々な体験をしていくと、だんだんと自分が思い込んでいたことと、体験を通じて知ったり感じたことのギャップを埋めるように「自然の偉大さ」や「自分一人で何かを行うことが実はとても大変」といった感想をポツリと口にしたりします。

その度に「良い体験(活動)ができて良かったね!」「素敵な感想(感覚)だね!」と伝えています。

頭で想像したりバーチャルの世界では得られない、こども達の心の成長が体験活動を通じて育まれていきます。

やっと新型コロナも法律上はインフルエンザと同じになり、少しずつですがこども達の非認知能力を育める環境(例えばマスクをしない友達の顔を間近で見られる事)が戻って来そうです。

友達の表情を見ること、みんなで大きな声で声を合わせて歌うこと、笑いながらご飯を食べることなど、コロナ禍前までならば当たり前の事ばかりですが、それらを制限されてきたこども達にとっては今からでも心を育む活動が必要なはずです。

キャンプで雨に打たれることも、爽やかな風が頬をなでることも、両方ともこども達には必要な体験なのです。

2023年05月11日