こどもの「非認知能力」について考える

最近、こどもの「非認知能力」についてテレビなどでも取り上げられるようになりました。

非認知能力とはこども達が「自分の心について考える(とらえる)能力」であり、「人との関わりにおいて発揮する協調性や共感する能力」などで成績表等のように数値化できない力を指します。

おもに幼児期の発達に重要とされていますが、小学生でも「自己肯定感」や「社会性」「共感力」といった、学校やキャンプでもとても重要視されている大事な部分です。

この非認知能力はおもに「体験」によって養われる能力で、昔から自然体験活動などを含む「何でもやってみることが大事!」と言われてきたことですが、学問的な裏付けがされたことでより重要性がわかりやすくなりました。

キャンプに初めて来るこども達は、例えば釣りのプログラムでは「ゲームならもっと簡単に釣れるのに、こんなに釣れないんじゃつまんない!」と言ったりします。

または先日行ったバームクーヘン作りでは、「こんなに何回も生地焼いてめんどくさい、なんで?」と言ったりします。だって”バームクーヘン”作ってるんじゃん!と返したりしますが、みんな自分の中のイメージやそれこそYouTubeだけで色々なことをそういうもんだと「知ったつもりでいる」節があります。

なのでやったことがある人間からすれば大変であったり難しいことは百も承知のことでも「そんなの簡単じゃん」「やらなくたって分かるし」ときます。

けれど少しずつキャンプで色々な体験をしていくと、だんだんと自分が思い込んでいたことと、体験を通じて知ったり感じたことのギャップを埋めるように「自然の偉大さ」や「自分一人で何かを行うことが実はとても大変」といった感想をポツリと口にしたりします。

その度に「良い体験(活動)ができて良かったね!」「素敵な感想(感覚)だね!」と伝えています。

頭で想像したりバーチャルの世界では得られない、こども達の心の成長が体験活動を通じて育まれていきます。

やっと新型コロナも法律上はインフルエンザと同じになり、少しずつですがこども達の非認知能力を育める環境(例えばマスクをしない友達の顔を間近で見られる事)が戻って来そうです。

友達の表情を見ること、みんなで大きな声で声を合わせて歌うこと、笑いながらご飯を食べることなど、コロナ禍前までならば当たり前の事ばかりですが、それらを制限されてきたこども達にとっては今からでも心を育む活動が必要なはずです。

キャンプで雨に打たれることも、爽やかな風が頬をなでることも、両方ともこども達には必要な体験なのです。

2023年05月11日