校長からのメッセージ

こどもの身体と健康について 更新日:2023/05/11

わたしは長年「健康運動指導士」としてたくさんの運動指導に携わってきました。
そもそもこの道を目指したのは「キャンプでこども達の健康を守り、キャンプ活動を通じてこども達の心と身体を育み成長に寄与したい」との思いからです。

従来であれば、キャンプ現場や集散時に保護者の方に直接気になる部分についてお話ししてきましたが、コロナ禍になりネットを通じた情報共有の大切さも知りました。

そこでこども達の体や心の問題について、不定期ですが私が気になった情報をお伝えしていこうと思います。

こどもの健康と体力コラム

2022年10月06日
こどもの「浮き指」について考える
2023年05月11日
こどもの「非認知能力」について考える

心と体の健康について考える

新型コロナウィルスの感染拡大が始まってもう2年が経過しました。
この間、大人も子どもも不安定な日常の中を過ごしてきました。
特にこども達はこの新型ウィルスの一番の犠牲者になったと思っています。

楽しいはずの給食も、
思い出になるはずだった修学旅行や自然体験教室も、
勝つために努力してきた部活動も、
この2年間でどれだけ犠牲となったのでしょう。
皆さんの子どもも、私のこども達もこの2年間で今しかない大切な時間をいくつも失いました。

時折ニュースになるこども達の心や体の不調も当然この2年間が影響しているはずです。
もちろん全てのこども達が心や体に悩みを抱えているわけではないと思いますが、制約された生活の中で大人以上に深い影響を受けているのではないかと懸念しています。
実際、こども達の体力測定の結果を見ても2021年度は大きく低下している調査がでています。
(2021年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査(全国体力テスト)」スポーツ庁)

わたしは30年近く運動指導員として活動してきました。
体と心は密接につながっていて、特に成長期の多様な運動は脳の発達や神経の発達に欠かせません。
そしてもちろん心の成長にも欠かせないのです。

私は同時に野外活動人として幼少の頃より山に登り、海に潜り、キャンプ活動をしてきました。
その中で自然が与えてくれる様々な恩恵を身心に受けてきました。
いまこそ自然体験活動が、こども達の心と体を救ってくれる重要なファクターであると思っています。

こどもが子どもらしくいられる。
大きな声で笑い、歌い、走り回れる。
はやくそんな時が戻ってきて欲しい。
私たちの活動もまだまだ自由になんでも出来るわけではありませんが、
山の空気を吸い、海の波と戯れ、川や海の生き物と出会い、一緒に遊ぶ仲間と走り回る。
少しでも自然の力をこども達が吸収できるような機会を作っていきたいと思っています。

2022.5


 

ナップこども自然学校の役割

近年、こども達の心身ストレスが話題にあがることも多く、いじめの問題や不登校といった課題もいまでは頻繁にニュースや新聞で見受けられます。

なぜこども達はいじめを行うのでしょうか?
なぜ学校に行きたくなくなるのでしょうか?
この疑問は我々大人だけの疑問ではなく、一人一人のこども達の中にも、まだ表に出ていない心の「モヤモヤ」があり、こども達自身も自分の中の「心のモヤモヤ」がいつ爆発するかもしれないと不安な毎日を送っているかも知れません。
それを思うと、二児の子を持つ親としても非常に気がかりで「何とかしなければ!」と気をもむ毎日です。

私たちは自然の中で、たくさんの仲間と活動するからこそ発散できる「心のモヤモヤ」と、自然から吸収できる「心のキラキラ」を一人でも多くのこども達に体験してもらいたいと思っています。
自由にのびのびと自然の中で思いっきり体を動かすこと。太陽や風や自然の音や、時には雨や雪を感じることでこども達の五感を呼び覚まし、より自然体で生きていけるようになれば良い。
心の中のキラキラをいっぱいため込んで、素敵な大人になって欲しい。そんな気持ちでこども達と活動しています。

こども達の心の健康と体の健康は、常につながっています。私たち大人が、こども達の心と体の健康を向上させるための環境を整えてあげることが大切なのだと思います。

私たちの行う自然体験活動が、こども達の「今」と「未来」を作り上げる一助になることを願って、今後も活動を推進していきます。

2016.4